ゆるゆると

2010 12月7日

福山龍馬、全然観なかったなあ。ときどきお見かけする彼はいつもの感じだったし。なんだか歌舞伎の主人公のようだったな。ぼんぼんの二枚目で皆が必死なときに頭で解決するスマートな策士か。ふう。なんだか龍馬が遠くなったなあ。司馬龍馬が好きな人は観なかったんじゃないか。ま、あんなもんか。

このまえやっと作品が出来たんです。なんだかなあ、土で作品とかいってずいぶん時間が経っちまったな。その間にトラブル続きで散々な目にあった。ま、こっちもタフになったからどうてことないけど、ある人物を描くにあたってずいぶん手こずった。手法がどうとか、土をどう使うかで今までにない体験をした。ま、結局自分の出来る範囲になったが。(笑)他人を描くという大きな課題、肖像画という近代画家にとっては怠けている課題に向き合うのは難しいことだった。自分を投影するのはよくある。当人にしかわからないからごまかしもきくんだな。しかしこの場合相手を理解し作品に投影しなければならない。当事者やその周辺の親しい身内にも説得力を持つものでなくてはならない。いつもの調子で描いても彼にはこの目線はない、とか思い直したり。今の手法とか質がどうこうとかそういった美術屋の雑念より、作品の存在そのものが彼でなければ意味がない。しかし出来るときは一瞬だったし、二度と同じものは出来なかった。

人類は長い間肖像画というものを描いてきた。しかしそれは今や写真が担ってるようだが、絵で描く意味はやはりあると考える。人間に向かっていないということは逃げているようにしか見えない。だったらそんな阿呆なことをする奴も少しくらいいてもいいだろう。そのうち時計はもとに戻るはずだから。

そんなたいそうな もんができたわけじゃあないけど、ゆるゆると始められたらな、と思っている。