恒子展

2009 10月15日

恒子さんの展覧会があったので和歌山まで嫁さんと行った。およそ千点の作品だ。個人のコレクターとしては質も量も圧倒的だ。

秋のこの時期に国立の美術館が二ヶ月も個人のコレクターの所蔵品を、生きてる間に展覧会にするのは異例だろう。日本のコレクターでも稀有な人だ。ご本人も自身の社会的役割を自覚している。そのわりに気さくで本当に裏表がない人だ。ミロから名和晃平まで、心地よくユーモラスで存在感のある作品が並ぶ。それはまさに田中恒子その人をあらわしている。本人を発見。そしてあの太陽のような爆発的なパワーで、二人のために一点一点解説をしてくれる贅沢なもんだった。閉館後まで学芸員とひきずってなかなか楽しかった。

彼女は京大や大阪教育大学で住居学を研究する教授だった。快適な生活、豊かな生活をする延長に現代美術のコレクションがある。そのことは一貫していて、投資のための転売は絶対にしない。俺も自分のヘビーな作品を押し付けたりしたことはない。そのかわり資金提供をしてもらうという関係ができている。もちろん今後の協力もおねがいして引き受けてもらった。ありがとうございます。こういう人と出会うことができただけで、よかったなと思う。それも妻との出会いがあってこっちにきたわけで、出会いってのは不思議なもんだとつくづく思う。

今日は田中恒子という人が少しわかった気がします。