かたち

2009 6月8日

ひさしぶりに松田優作をYOUTUBEで見た。「野獣死すべし」で突然変わった。なんて書いてる人いたけど、「探偵物語」も「太陽にほえろ」から思いっきり変わってるし、なんといっても「家族ゲーム」で変わった。「ブラックレイン」もそうだった。優作はいつも新しかった。それは時代との接点を常に見つめていたからだろう。かっこよさを追求すると時代との関係は切り離せない。しかもそれでいて松田優作はあの松田優作だ。自分はそういうセンスが好きだしそうありたいと考えている。今のリアリティ。その瞬間の。

しかし人は形を偏愛する。芸術とかいうものは特にその傾向が強い。二、三周まわって寝かすと、美になる可能性がある。そこは危険な穴でもある。簡単に美は権威になる。

論文の形式がここ数十年一切変わっていない、内容が変われば形式にも変化があるべきだ、と書いたのは養老孟司だ。

ニュースでイスラエルでまたガタガタ大騒ぎしていた。連中も陣地の取り合いから、さまざまな形式の宗派の戦いに明け暮れ、輸血しない形のタイプも出たり、一生ヒゲをそらないとかなんやらもう本当に形式ばかりだ。愛とか平等、博愛が目的じゃないの?いつのまにか型にばかり偏愛するし、やはり権威がつく。こちらは芸術以上に深刻だ。

とにかく人というのはそういう習性がある。それは間違いなく自分の中にもあるだろう。そこを注意深く見つめたい。