キャラメル.ママ

2009 1月22日

ろくでもない事件に世相が出るもんだ。

結婚しているのに恋人に結婚式の約束までして、式の当日式場に放火してしまう男。三人も子供がいるのに隠れて恋人と暮らして、出産の直前に恋人と子供を殺してしまう男。女を犯そうと隣の部屋の女性を襲い、計画通りいかないから証拠隠滅のために殺してバラバラに下水に流す男。どいつもこいつも一気にチャラにしようと無茶をする。「悪」は小出しに使ってこそ人生のスパイスとして機能するもんだ。

昔一緒に働いた人で元社長をやっていた年配の人がいた。シブい色付きの眼鏡かけて落ち着いたいい男だ。ひょんなことでこんな話が出た。「お金がいるだろう彼も。外で女作って子供おろすにも金がいるだろ?」眉一つ動かさずこんな話をする。「むかし情熱的な女と出来て、もう再婚しようかと思ったんだよ。そしたら嫁の兄貴かなんかが来て、どうも説得しようとして来たらしいんだけど酒飲んで一言もしゃべらずに帰ったよ」そう言って笑う。奥さんは彼にぞっこんらしいのがよくわかる。男だねこの人は。だれがどう言おうが、基本の生理的な現実は変わらない。

ママは「悪」を教えてはくれない。