知恵もの

2008 12月13日

gallery wks.のオーナー片山さんは大変ユニークな人物だ。

京都芸大大学院美術科油画を出ていて、デザインもこなす異色の経歴だ。引き出しも大変多いし、大変なアイデアマンだ。材料を投げるだけでボコボコアイデアがわいてくる。現代版大阪のおもろいおっさんという人物で、ここの展示は一癖あるもんが多い。今度のユニット「ガソリン」は俺が持っているアイデアを、彼が後押ししてくれて出来た。

会期中もいろいろなアイデアが出た。一光くんというNYでも活動しているペインターと三人でゲリラをやらないか、という話。見せ物を現代的にやらないかという話。お水の姉さん相手に「夜の紙芝居」をやらないかという話。現代版「忠臣蔵」の企画。吉良上野介をブッシュ大統領に見立てる。薮米野介とかどう?薮はブッシュの直訳ですか?ガハハ!とか馬鹿な話を連発する。そしてその度にいろんな資料が出てくる。ちょっと私塾のような感じもあって、よっぽど学校より面白い。前展示したアーチストの論理を具体化した模型を勝手に作っていたり、俺の前の個展でも自分で模型を作って配置のシュミレーションまでやっていた。どれも好きで勝手にやっているだけだ。利害もヘチマもない。それがすごいじゃない。関西のギャラリーが集まって発表するギャラリズムでも去年は死体ばかり描くアーチストの特集をやって非難囂々、賛否うずまいて、今年は心に残りなおかつシャープなセンスの作家を選ぶ。毎日話し合って思考のキャッチボールをしている。自分を冷徹に確認する意味でも重要だ。

この人は知恵ものです。