悪くない

2008 11月27日

個展直前にはいつも頭がおかしくなってとんでもないことをやらかすが、今回はそれはなかった。まあ投げるコースが直球だからか。あとは梱包だけ。

嫁さんはろくでもない亭主の代りに一生懸命働いてる。仕事の悩みを聞くのもコミュニケーションの一つだと思って聞くことにしている。うちでははっきり俺に駄目だしをする妻も、会社ではそうもいかないようだ。

彼女の働いてる会社は化粧品の品質管理を行う会社だ。管理を行う人間は数学にもある程度精通しなければいけない。数百人のパートを管理する部署はわずか数人だ。彼女は医療機器の会社のデザイナーから、輸入、厚生省への申請業務などを経て今の会社に入ったが、期待されてるのもあって責任が重い。最近はエコ推進委員会などに選ばれて、彼女がイラストを描いてポスターを俺と一緒に作った。最近は上司にどやされてめげている。ときどき「一年くらい働きたくないなあ」とか言う。まあそれはさておき、この上司が厄介な男で、サディスティックに彼女を責めるときがある。他にも落ち度がある人がいるのになんでかなあ、と言う。期待されてるのももちろんあるだろうが、一年くらい話を聞いているとこれは重大な問題だと気がつく。そういや昔そう言う部長いたな。いやそいつだけじゃない。学校でも会社でもどこでもそうだ。百年変わらない権力者の性癖。お前は駄目だと言うことで人を管理し、奴隷労働させる思考回路。突然怒りとアドレナリンがこみ上げてきた。

佳子、そいつはお前のために言っているわけじゃない。水が流れやすい所に流れてるだけよ。反省なんかするな!逆に反省するから差し込んでくる。お前は悪くない。悪いなんて絶対に思うな!

しばらくして彼女は

「セイさんに話して良かった、元気が出てきた」

と、言った。