絵の余白

2008 10月11日

個展に向け久しぶりに絵を描いている。

デッサンやクロッキーの快楽は知っているので、多くを描かないようにして来た。うまくなるのは美に向かう。それはエネルギーや野蛮な力を奪うので警戒している。もともとうまい方だったので新鮮さを失うことを最も恐れている。一発目に向けて準備して来たが、悪くはなかった。

この場合、筆と塗る素材の材質、絵の具の粘度や濃度で決まるのでそこだけは注意する。つまるところ、それだけで後は簡単に筆を走らせるだけで進む場合が多い。無駄な部分は描く前からどんどん削ぎ落として、この方法しかないとこまで詰めてゆく。こうしないと描いてから描き直しが増える。描き直しなど嫌いなので、一発勝負に集中力を注ぐ。完全に思ったようにコントロールできても駄目なので、いかに余白の部分に魅力や魔力があるかが勝負になる。

まるで生きざまのように。