夫婦

2008 10月11日

今度の作品のテーマは夫婦だ。

neutronでの個展で集団というテーマはやりきった。反動でもう少し個人に近い仕事がしたいと考えた。最初は感情をテーマに作ろうと思っていた。しかしいろいろな出会いがあった。その中で個人の関わりを強く意識して生きている人たちに出会った。そんな関わりから自分の意識に少しずつ変化があった。

最初はそう言った人たちを描こうと考えていた。しかしアートフェアでつくづく売り物のみの記号だけの絵を見て、なにもかも馬鹿馬鹿しくなった。どこかの遠い人を描くのもくだらない。能無しもビョーキも本当にうんざりだ。美術界も世間も、なにもかも一切、作品と自分の中に入れたくない。そう決断した。そのときに自分と妻の佳子に絞ると決めた。社会の中で最も重要で最小の集団、夫婦を描く。自分の一生の主題である佳子と自分を描き切る。正直に露に描くことによって、今の能書きだらけの美術を自然に否定することになる。

俺はいまそんな風に考えている。