母と話す

2008 8月19日

母と言い争う。といってもいつもの会話だ。

「最近ひどい殺人とか変な人が多い!」

「そんな奴はいつの時代でもおる」

「それでもこんなにひどいことが昔は続かんかったわ!」

「知られてないだけで昔もおるわ」

「あれはゲームとかの影響やないかね」

「それもあるけどそれが中心じゃない」

母は普段は本当にのんきな人だ。ちょっとのことでは騒がない。それでも時事問題は少し熱くなる。しかも彼女は大丸ギャラリーで長い間働いていた。お客でも子供をしかれない親、子供に注意すると逆ギレする親を多く見て来た。時代の変化も知っているのだろう。母は子供が危ないことをしていると「こらこらそんなことしたらいかんぞね」と平気で注意する。そんな母を俺は大好きだ。それでもこの話は抵抗した。

「今はひどい、昔はよかった、いう話を俺はしとうない。むやみになげいても、なんちゃあ変わらんわえ!逆にそんなことばっかり考えて不安になることがようないわ。今の時代でもまともな奴はいっぱいおるよ!」

ふん!と言って母はむくれた。俺はちょっと苦笑いする。それでもやっぱりそう思うし、そう思いたい。