情熱の罪

2008 7月14日

死にそうに働いてるイタリア料理の店員がいた。ああいう情熱的な奴が一番犠牲になりやすい、と思う。「翔ぶが如く」を読んですっかり脱力した。今の日本の悪しき構造の出発点みたいなもんがあったからだ。精神主義は近代合理主義には勝てない。個人の技量が全体に影響しない。道具と作戦の優秀さで優劣が決まる。問題は条件の悪さを精神力でカバーするということ。戦争の場合爆弾を抱えて特攻するという最悪の事態まで行く。サムライが滅びるわけだ。そしてこの西南戦争はまさに地獄絵図だ。

「ブラックジャックによろしく」という情熱的青年医師を描いた漫画があった。ああいった情熱的医師がろくでもない医師になる可能性が高い。自分と言うものを信用し過ぎているからだ。会社でも何でもそういった情熱は組織の中で利用されることが多い。教師でもそうだろう。情熱が維持できるのはせいぜい数年だ。割に冷静で、したたかな奴がいい医師や教師になるかもしれない。もちろん秘めた情熱も必要なうえで。情熱や純情に殉ずる奴は、優れたパートナーを持てるかどうかで決まる。

純粋なこころの女性は、冷静で少しワルで、なおかつ彼女の純粋さを守ってくれる男と一緒になったほうがいい。そんな奴めったにいないけど。(笑)