色戒

2008 7月11日

ひと区切りついたので映画に行った。

新開地の二番館「CINEMAしんげき」だ。「ラストコーション(色戒)」を観た。よく出来た映画だった。日本支配下の上海で、日本に協力する高官のトニーレオンとそれに近づいた反日のレジスタンスの女の話だ。 彼女は学生で富豪婦人を装い彼に近づく。 学生運動家の仲間で好きな男性もいるが、当局に利用されトニーとの逢瀬を重ねる。彼もそれを何年も黙認している。ことを何度も重ねる。あるときトニーに頼み事をされる。当局は彼女がスパイだと気づいたか、と勘ぐる。皆が動揺する。それならトニーを殺そうと画策する。仲間の彼はそのときに初めて彼女にキスをした。彼女はなんで三年前にそうしてくれなかったの、と言った。頼み事をされた場所に行くと宝石屋だった。トニーは彼女にダイヤのプレゼントをしてくれたのだ。出来上がったダイヤをはめた彼女は動揺する。幸せな裏切りをする男と、残酷に裏切ろうとする女。女は感極まり「逃げて」と言う。トニーはすんでのところで逃げ、女は彼とともに連行され射殺される。

女とトニーには肉と肉の狭間では見えて来ないものが、小さな宝石という形には見えたのかもしれない。

逃げて、と言った彼女のこの言葉がすべてだ。