小さな存在

2008 6月11日

梅雨かあ。いやだなあ。高知生まれとしては台風のほうがいい。第一はっきりしている。思いっきり来て去る。過ぎたらスカッとして晴れる。瓦が時々吹っ飛んでいたりするがかわいいもんだ。小さい頃は親戚たちと海まで波を見に行った。圧倒される。

二十歳頃、自転車で北海道を旅しているときにひさしぶりに圧倒された。大平原の中一本道をただ走っていた。豪雨がすごくて道が濁流のようになっている。見渡す限り平原で隠れるところもない。ただペダルを漕ぐしかないが日も暮れかけてきてどこにいるかもわからない。カッパをうつ雨の音と汗だくの体一つ。日が暮れるまでに次の街にいかないとまずい。当時は携帯電話もないので途絶感は激しかった。名寄につくと行くつもりだった街は浸水していた。去年久しぶりに高知の強い自然を遍路で味わった。叩き付けるような波とギラギラする日差しを前に、自分はちいさいなと思った。それはなんか、すがすがしい諦めみたいなもので、また味わいにいきたいと思っている。