今、ジョンレノン

2006 3月4日

急にジョンの魂が聞きたくなって聞いた。これは本当に何かが伝わる名盤だ。でもこれ以外のジョンの仕事はソロではもう一つだ。政治色が強いものは風化がひどい。再スタートのダブルファンタジーはAORだし。まああれが彼のおだやかな現状だったんだろうけど。まわりに音楽に長けたスタッフがいなかった気がする。ヨーコはどうしようもないし、フィルスペクターはいかれてるし。バンドはもう一つ。ジョージマーチンとポールの存在は大きい。

意味にとらわれると曲の純度が落ちる。音楽的にも意味の適度な具合でもビートルズ時代の曲はいい。ソロではジョンの魂はうまく結実してるけれど、あとはもう一つぴりっとしない。walls&Bridgesが唯一、無駄な贅肉の結晶かな。imagineはアルバムとしてはもう一つ、newyorkcityは意味がうるさい。mind gemesはパッとしない。rockn rollはいいけどカバーだし、ダブルファンタジーは80年代に再出発するには古くさい。(どっちかというとヨーコの方が新鮮。めったに聞かないけど)

ただしどのアルバムも彼の現状を表していることには違いない。駄目さも含めて。その率直さは胸を打つ。やはり社会的意味にとらわれ過ぎたことが音楽的に失速させた理由だろう。その原因はヨーコだけじゃない。彼のインテリに対するコンプレックスからだろう。平和運動など、意味の力が強い人と思われているけど、実際は爆発力が魅力な人。その魅力を本人が否定したあたりからヨーコとの出会いに繋がる。そういう意味では冷静に自分を見れてはいなかったかもしれない。ちょっとジャンキー気味だし。80年代の未発表曲なんか政治を捨てられていないものがあった。それも時代遅れだ。

今でも胸を打つのは個人的なものに根ざした曲。