大島渚

2005 12月24日

久しぶりに大島渚の話をやってると思ったら、彼はかなり病気の後遺症がひどいようだった。友人からメールがあって「なんか悔しい…吠えろ渚」と書いてあった。

僕の渚体験は「愛のコリーダ」からだ。僕が小学生の当時は社会的な問題で大々的に騒がれていた。ものすごいポルノ映画で、ハワイまでツアー組んで無修正を観に行ったとかいう話まであったりしてた。しかし当人の大島をポルノの監督とは決して思わなかった。いまだに覚えている法廷に入ってくワンカット。髪をボサボサに伸ばして堂々と歩いているその様に圧倒されたからだ。そしてあの「戦場のメリークリスマス」。当時は坂本龍一見たさと話題性に魅かれ映画を観た。映画館は満員でビートたけしやデビットボウイめあてに若い女性の客がやたら多かった。なにもわからずただ映画を観た。そして強烈に感動した。映画は反戦という思想を含みながら、国境や性別を超えた人間の本質に突き刺さる作品だった。当時中学生だった自分に詳細な意味はわからなかったが、ラストシーンの感動はいまだに忘れない。あれほど人間というものを全面にだして人のハートを揺さぶるラストシーンを観たことはほとんどない。観終わった後、ひょんな機会に友人とそんな話になった。「なんかわからなかったけど、最後感動したな!」別に芸術に詳しい友人じゃないけど彼だってなにかを受け取っていた。