オーケン

2005 1月21日

大江健三郎はノーベル賞をとった昔の小説家でしかなかった。そんな自分が読んでみる気になったのは、スガシカオが初期の方はおもしろいと言ったからだった。そして読んだ。「奇妙な仕事」。ここには現在にも続く日本の青年、日本人の位置が正確に書かれている。それを成し遂げたことは奇跡的だ。その後の彼の仕事はある時期までこの作品の焼き直しでしかない。

その後不具の子供をモチーフにし始めたこと。それはヒューマニストの道をとらざるを得ない結果になるのはわかりきっていた。知性や難解さという衣で恥を包みながら。それはアーチストとしては負けだし、ノーベル賞なるものがそのことを評価したのならノーベル賞自体怪しい。

最初の作品で犬殺しが題材に出てくるが、彼は自分の手を汚さず犬を殺しだしたんだろう。