キンダイチ

2002-5月

金田一は少年で事件簿なのが今らしいけど、自分の中ではやっぱり金田一は耕介だ。当時は小学生だったのであの強烈な横溝正史の世界を垣間見えたときはドキドキした。ずいぶん大人の世界だった気がする。

そんな世界の水先案内人として金田一耕助は最適だった。一見冴えなくて飄々としているがキレるやつ、という風情はライフスタイルにも大きな影響を与えたし、彼が鞄ひとつで 各地を旅する姿にはあこがれたものだった。彼はあのドロドロした世界にさっとさわやかで自由な風を吹き込んでくれた。

当時は石坂浩二が映画で演じてたけど、かなりあってたと思う。なじみ深かったのはテレビの古谷一行だけど。彼はもうちょっとワイルドだ。

小説のカバーがあの頃はほんとうに怖くて、本屋でビビった記憶がある。小学生の買う本じゃなかったらしく、ほんとうに買うの?と言われた。