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画家。人を描くことを主体に活動している。インスタレーションなどのダイナミックな展示から小品まで幅広い展示方法が特徴。主にシンプルな素材で力強い作風で描き上げる。近年では様々な手法で新しい表現に挑戦を行なっている。
人と対峙して描く「1×1プロジェクト」を中心に活動。ギャラリー21+葉 ギャラリイK ギャラリー16 gallery wks.など多数で個展。神戸などを中心にライブペイント活動も行う。
2022年 9月15日
ゴダールが死んだ。
ずいぶん高齢だったけど、尊厳死、合法的自殺らしい。まああの人らしいか。多作でまだ作ってる?と驚いた記憶があるから、作れなくなったか、やりきったのか。
いくつか作品観たけどほとんど眠い作品ばかりだった。難解というより、放り投げてる感じの作品が多かった。しかし「気狂いピエロ」は何百回観たかわかたない。他の作品は一回くらいしか観てない。だからゴダールといえば「気狂いピエロ」。17歳の自分には監督もなにもわからないまま衝撃だけ受けた。
高2の頃に名画座で観た衝撃はいまだに忘れない。映画でこんなことしていいのか!?衝撃と驚きがあった。詩情のあるセリフ、色彩感覚、編集、構成なにもかも。即興と言われる作風もよく見ると、伏線があったり、カメラワークなどきっちり構成もしているしたたかさ。しかしやはりベルモンドとアンナカリーナの魅力が満ちている。その後の作品に一切興味がなくなったのは、演者がパッと見て惹きつけられる対象がいなかったことが大きい。そうなるともうゴダールファンのための映画で、タイトルもゴダールのなんちゃらとかつきはじめた。それにしても別れた妻のアンナカリーナに対する思いを元夫が監督するとは、お互いどんな気持ちだったのか。最後にはアンナを劇の中で射殺して、主人公のベルモンドも爆死した気持ちとは?映画公開がまさに離婚の年だったのを後で知った。この作品が彼の中でも一線を画しているのは、この個人的思いの強さだと思う。
数年前にアンナは死んだ。やはり思い残すことがないかもしれないな。
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