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画家。人を描くことを主体に活動している。インスタレーションなどのダイナミックな展示から小品まで幅広い展示方法が特徴。主にシンプルな素材で力強い作風で描き上げる。近年では様々な手法で新しい表現に挑戦を行なっている。
人と対峙して描く「1×1プロジェクト」を中心に活動。ギャラリー21+葉 ギャラリイK ギャラリー16 gallery wks.など多数で個展。神戸などを中心にライブペイント活動も行う。
2010 3月25日
年に一度も尋ねないのに、二週間後にまた妻のおかあさんちにいった。今度はいい天気だった。
階段の踊り場のあたりにちょこんと猫が首を出していた。
「あ、たまちゃん」
たまは俺たちが近づくと飛び降りて、犬めがけて突進した。勇敢なオス猫だ。けどせっかく来たので相手もしてほしい。無理やりおかあさんの部屋に連れて行った。部屋の扉には、いなくなった猫、レオの写真が飾ってある。見つかったときのことを考えて。「ああ、せいさん!」続けて来たことをお母さんは喜んだ。「なかようやってるみたいで、よっちゃんよかったな」俺はこたつのある部屋でたまと座り込む。「おかん、炊飯器の横に花なんか置いたら虫がたかるやない」妻はそういう。見るとどんべえのカップにパンジーの花が生けてある。たまは大暴れで俺の手を引っかく。そこらへんを大暴れ。押入れを開けて駆け上がったり、駆け下りたりだ。「せいさん、蛍光灯買いに行って」妻にそういわれ、近くのスーパーに買い物に行く。この団地はこどもと猫が多い。猫がくつろいでいる姿を見る。ぼんやりとその姿を眺める。すると子供がやってきた。「むこうのほうがもっとおるで」そういわれて歩いた。しかし猫はいなかった。
おかあさんに頼まれて551の豚まんを買った。二つ買って、一つ豚まんをもらった。それを妻と半分にわけた。551の豚まんを食べたのは初めてだった。うまかった。たまは暴れまくって、俺の手を引っかいて噛んだ。そんな姿をまた絵に描いた。妻が喜んでこの前の絵の横にそれを貼った。おかあさんはずっと俺に話しかけてくる。無茶な話でもとりあえず、そうですねえとうなずく。たまは暴れ疲れて、俺のひざの中で丸くなって眠った。
無邪気でかわいい、と思った。
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