キョウサイ

2008 5月9日

河鍋暁斎を観てギャラリーに行ったが、少し整理がついたんで話す。

まず現代美術はプロダクトとして弱い。製品としての存在感が弱い。稚拙な感じがつきまとう。自由を旗印に始めた現代美術の弱点はそこで、蓄積がないので技術が稚拙になる。毎回違った対象を描くので深くならない。江戸以前の日本美術は記号、つまり描く対象はそんな突飛なものはない。そこで迷わない。技術や手法に専念できるし、同じ対象を描いてる故にそれぞれの個性が際立つ。

自由になりすぎたために所有欲を持てない製品が多い。だから付加価値で売るという悪い環境ができている。マーケットが健全ではないので、劣悪な作品が淘汰されない。そういった状況をよく理解しないと自分も同じ穴に落ちる。自らいろいろ規定しないとどうにもならない。これって生き方も同じだね。自由に生きろって行ってもよくわからなく、気がつくと大きなものに巻かれてるか、わけわからず自爆してる状況なんだな。

そんなものに負けるわけにはいかないね。