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画家。人を描くことを主体に活動している。インスタレーションなどのダイナミックな展示から小品まで幅広い展示方法が特徴。主にシンプルな素材で力強い作風で描き上げる。近年では様々な手法で新しい表現に挑戦を行なっている。
人と対峙して描く「1×1プロジェクト」を中心に活動。ギャラリー21+葉 ギャラリイK ギャラリー16 gallery wks.など多数で個展。神戸などを中心にライブペイント活動も行う。
2009 11月13日
今から20年まえだっけ、おまえの部屋で夜の夜中に聞いたんだ。
あのころはいい曲が入ったら聞かせあった。主にR&Bやソウルの洋楽ばかりだった。レニークラビッツの誰にも知られてないとき、ドクタージョン、オーティスレディング、ジャニス。まあいろいろだ。おまえの部屋はやけに広かった。裸にした光が明暗を浮かび上がらせていた。拾ってきた白黒のテレビ。マイヤーズ、ラムばかり一緒に飲んだ。おまえは料理も野郎のくせにうまかった。とにかく馬鹿みたいに話した。なんでもかんでもしゃべりまくった。笑って声を上げて。気がついたら朝がきて昼が来るなんてしょっちゅうだった。なにをあんなに語ったんだろうな。でもおまえとの会話はとんでもなく楽しかった。理屈もへったくれもなく、ただそうだった。
デパートから盗んできたハンモッグに揺られながら、虚空にむかってタバコのわっかを飛ばすのがおまえのクセだった。今でも覚えてる。あの歌を聞かせてくれたときのことを。
中島みゆきなんておれはきいたこともなかったけれど。あの歌は静かに深く、今耳に残るようになった。暗い海の底から静かに浮かび上がるようなあの曲。人の醜さも美しさも含んだような。田舎から単身何もかも捨てて出てきた、お前のためのような曲だった。コマーシャルなんかで世間に知られたとき、大事なものがおおっぴらにされた気がした。でも、仕方ない。あんなにいい曲なんだからな。どこかの誰かにとってもそうなんだろう。
あれから時間がたった。
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