オッペンハイマー

2024年 4月1日

 映画「オッペンハイマー」を観に行った。
 まずよくこの映画を作ったものだと驚いた。そして真正面から人類にとってアメリカと日本にとって、大きなテーマに挑み、大ヒットを獲得し、賞レースを総なめにするというのは驚きだ。まず制作者と演者の覚悟を問われる作品だ。唯一の被爆国の日本で公開されたことは大きい。
 ノーラン監督の映画は興味深かったが今ひとつ入り込めないものがあった。頭の中の世界に終始している方かなと思っていた。インセプション、テネットがそうだ。それならチャゼル監督がずっと距離が近いと感じていたが、ダンケルクあたりからリアルな世界を描き始めて、ここにきてこれが本当にやりたかったことではないかと思えた。
 映画の内容は原爆を作った男の話だが、そこをさらに深掘りしている。背負った苦悩は計り知れない。映画はその部分に焦点を当てている。原爆の父として喝采を浴び、さらに自国の政府から糾弾されることになるとは。人類や国を背負った男はただの優れた男ではなかった。そのことが悲劇であり、救いでもあると自分には思えた。