ダリの本

2019 2月20日

ダリが書いた本がある。

私の50の秘伝という本だ。

冒頭に「画家を目指す者よ、ただ絵を描きたまえ!」というコピーがついていて期待させるもんだ。が、、、これがまあなんというか。最初は筆の扱い方とか、感心して読み始めるが、次に昼寝の勧めが入り、食事にはウニを3ダース用意しろだの、魚のスズキの眼球を二つしゃぶれだの、妻と愛人を用意して、三人一緒に完璧に仲良く暮らさなければいけないだの、画家はみなガラ(ダリの奥さんのこと)と結婚しなければならないだの、バカな話を延々と書いていて、このガラあたりで本をぶん投げた。ふう、、、。

まあこのおっさん、大げさな風呂敷を広げて煙に巻くことばかりだからなあ。むかし「亀有公園前派出所」て漫画の中で、交番におっさんが駆け込んできて神妙な顔で妻を殺しました、と言う。両津が真剣な顔で調書を取り始めると、最後に凶器の話になったとき「殺したんです!妻を虫ピンでずぶっと!」と言う。え?となってるとおっさんが大笑い始める回がある。もちろん両津はぶっ飛ばすが、真面目に読んでいる俺をダリがしたり顔で大笑いしている顔が浮かんでしまった。あのおっさん、、、。

実際ダリは繊細でくそまじめな男だったらしいが、こういうことやらかす。食えない奴だ。しかしこの本はダリの素描がなかなかいいし、注釈とか、ちょっとした掟などに重要な要素が書いてある。油断ならない。その中にこういうものがある。

完璧を恐れるな。君は絶対到達できはしないのだから!

怠惰のなかに傑作は生まれない!

画家よ、ただ絵を描きたまえ!