フェルメール

2019 2月23日

フェルメールを観にいった。

ダリがその作業の姿を見れるなら腕を切り落としてもいいといった画家だ。

同時代の絵描きがまず目に入り、ゆっくりと観てゆくと目がさめる。ファルメールは確かに違っていた。

他の作家が形態を追うために光を使っているのに、彼だけ光をまず追っている。補足として形があるだけだが、それが異常に正確だ。もちろんカメラの初期の機器を利用しているが、デザイン的な面の取り方、幾何学的なタイルの構成、色彩のどれもが現代的だ。グレーやイエローの色彩のセンス。形態は正確無比だが輪郭を意図的に曖昧にしている。それが夢の中で見たような光景として浮かび上がる効果を発揮している。しかし装飾品や目の光はぼかしていない。その演出と確かな技術。部屋の一室を覗き見たような演出をして、なおかつその対象者に見られている。ハッとする。

はじめてフェルメールを本当の意味で見た。