太陽の続き

2009 3月6日

長谷川和彦は大学で映像ゼミにいたときから噂だけは知っていた。通称ゴジ。映画二本だけとって伝説になった男。次回作が観たい監督ナンバーワン。そう言われてかれこれ30年。(笑)二本とも重い題材を扱いながら、失踪して吹っ切れている。日本映画にはない資質だ。水谷豊と沢田研二という存在とのコラボも大きい。ゴジは最近では室井滋のヒモらしく、たまに麻雀関係の話題がのぼるくらいだ。

まあやっぱり俺としては「太陽を盗んだ男」のイメージが強くついてしまった。30年かかってやっと観たし。この頃の沢田研二じゃないと撮れない。沢田はこの頃「悪魔のようなあいつ」でも男娼のシンガーで三億円事件の犯人を演じている。そっちも脚本は長谷川和彦だ。人気絶頂の頃で、なおかつ傷害事件を二つぶちかましている。盟友のショーケンも犯罪者だしこの頃のアイドルはぶっ飛んでる。当時特技は人としゃべらないこと、とかふざけたコメントがあった。「太陽を盗んだ男」のラストシーンのまなざし。そこに感じた孤独と狂気は演出で出来るもんじゃない。あんな目はいつか見た。ジョンレノンだったり、「少年」の阿部哲生だったり、気狂いピエロのフェルディナンだったりした。

今でもこの映画が伝説なのは、あの孤独に共感している奴らがいるからだろう。

俺には、よくわかる。