歌川国芳

2023年 10月18日

 大阪に浮世絵美術館なるものがあって初めて訪問した。 歌川国芳の浮世絵を見たかったからだ。
 国芳を知るきっかけは、奥さんが美容室で見た雑誌の歌川国芳特集からだった。その頃自分はフランスの漫画のような作品を作っていて行き詰まっていた頃だ。長く突っ込んだがそれ以上発展しないところにいた。そんな折なんの気もなくあべのハルカスでやっていた絵金の展覧会に行き、舞台や空間に興味を抱いた。やがてそれは舞台の設定の絵画という流れになってゆく。映画や漫画という枠で試作を行っていたが、それが舞台になったのだ。
 舞台という場があればどんなものでもエンターテイメントになる。そんな思いの中、妻は国芳が俺にピンと来るんじゃないかと言った。なぜかそれが腑に落ちて歌川国芳に関心を持って作品を作った。そんなわけで国芳に半年以上向き合ってきた。浮世絵の美術館があると言ったのも妻だった。なんの気もなく聞いていたが、やはり半年経って意を決して見に行った。
 浮世絵自体見るのは30年ぶりだろうか。自分の作品に対する見方が全く変わっていたことに驚いた。月岡芳年と北斎の特集だったが、国芳も4点ほど作品があった。これが本物の国芳か!大胆で精緻。まさに自分が見たかったものだ!心斎橋のど真ん中にあって海外の観光客用に作ったものだろうが、こんなものが身近で見られるとは!!施設の方も親切で、丁寧に説明して頂いた。まず当時の浮世絵は壁に飾るものではない本の形式なので、今とライティングや見え方が違う。実は紙にエンボスのような型が付けられて下の方から斜めに見ないとわからない。1ミリの中に何本も髪の毛の線が掘られていて、あとで映像で確認できるのだがとんでもない技術だった!すごい!すりやすいように薄くて丈夫な紙を使っていることも初めて知った。この小さな世界にいろんな物が詰まっている!浮世絵のすごさを垣間見た思いだ。

そして歌川国芳に惹きつけられた理由がはっきりとわかった。