独立

2010 10月30日

最近テレビっておもしろくないですよねー。音楽も。

19歳。飲み屋のねーちゃんはそういった。こんな若い子が言うんだからそうなんだろうな。まあ今の商業の構造に問題があって創作とは真反対だから。売れ線のパターンにとっかえひっかえ若いアーチストのっけて数字だけあげるのは音楽に限らない。現代美術もそんなだし。ドラマは数字を保障してくれる俳優?しか採用しないから同じのがぐるぐる回ってる。ジャニーズとかもそう。連中は俳優とかいうもんではない。まあテレビっちゅう媒体もそろそろ古いのかもしれない。地デジとかいうけど、内容がつまらんとごちゃごちゃいじっても意味なし。

清志郎の本で「ロックで独立する方法」という興味深いのがある。これはロックで成功じゃなく、独立、だ。よく読むと蕎麦屋で独立でもいい内容だった。若い頃は右も左も分からずに音楽界という魑魅魍魎の世界に入って、ずいぶん痛い授業料を払わされたらしい。ピンはねされまくってたらしいんだが、本人も金のことを考えるのはらしくない、とかステレオタイプのロッカーが純粋だと思っていたことを後に悔いている。ひどい契約が知らぬ間に取り交わされてたとか。知ってるものが搾取する。知らないことが純粋だなんてバカな話だ。この手で殺されてなおかつ死んだあとも利用されているアーチストはどの業界でも死屍累々だ。清志郎は結局、独立した。なんで俺がこんなことまで考えなくちゃいけないんだ!とか言う内容ばかりだったらしいが、知らぬ間に踊らされた頃より自分で選んだだけ納得はいったと断言する。最近はサラリーマンでも意識が独立していないと生きていけないだろう。つまり自分の売りはなにか。主張する権利があるのか。どこでもやっていける価値があるのか。独立するってことはそういうことを問われる。世の中で純粋って言葉はそう簡単でもない。

確かにクリエイターはなにも考えずに突き進んだ一瞬の軌跡が純度の高い創作物を生む。しかしそこに極端な利害が生まれたときに魑魅魍魎が群がる。そこでただの純粋くんでは悪党に勝てない。自分の純度を守るために社会を知る必要が生まれる。それを汚れたとは言わない。