理解

2008 10月20日

なにか優しい作品がみたくなって「再会の街で」という映画を観た。9.11のNYテロで家族を亡くした男の傷と再生をあつかった物語。切り口、後味はさわやかだったがいろいろなことを考えてしまった。

他人を理解するというのは本当に難しい。今の世はわからないものは拒絶する、すぐに心療内科を紹介するとか言う始末だ。お互い干渉せず、我慢できなきゃ別れればいい。それが今どきのやり方かもしれないが、それで他人を深く理解することは出来ないと思う。生きていると他人や身内とそんな関わりを持つこともある。俺も必死で考えたことがある。その中で学んだことがある。

同情は理解と違う、こちらの気持ちをただぶつけても拒絶する。相手を真に理解しようとするには冷たい氷のような冷静さが必要だということ。同じように泣いて騒いでも理解しあえない。似たような傷を負った人間が自滅してゆくのはそんなとこだろう。しかし分析までは医者でも出来る。そこから一歩踏み込むことが一番重要だと思う。傍観しない。逃げない。その捨て身の姿勢が相手の心を開く。

一番下まで降りてゆくこと。落語家の言葉なんかふと思い出す。