秘密

2008 10月26日

宝くじ当たって殺されるなんて、運がいいのか悪いのか分からんなあ。

まあそれはそれだが、秘密を抱えるということについて考えた。河合隼雄さんの本でその実例が出る。母親と近親相姦した高校生が先生に相談した。教師は「へんな生徒がおる」と誰かにしゃべった。その誰かもまた他の人にしゃべる。みんな自分一人で抱えられない。河合さんはそれを異物を体内から排除するのと同じだと言った。化学変化に耐える容量を持っていない。これ以上持っていたら瓶が破裂してしまうから、ちょっと流す。そう説明する。モラル、信頼関係じゃなく、器の問題だ。殺されたあの女性はあの男にだけしゃべったらしい。つき合ってる男にはしゃべるわな。幸せを共有したいから。

むやみに年をとっても経験を積まないと意味がない。経験は知恵を生む。年齢を重ねる良さはそこにある。受けた痛みが自分に膨らみつけてゆく。器にはそういう意味もあるだろう。なんでも正直がいいわけじゃない。自分がしゃべることで誰かの器が壊れるならしゃべらない。人の噂でもなんでもそうだ。俺だって誰かが傷つくから黙ってる出来事、一つや二つはある。

2億あたったといわれて抱えきれなかったのは、あの相手の男なんじゃないのか?