絵になる絵

2010 1月25日

60年代学生運動やあの時代を見直すにおいがしている。漫画でも「レッド」、「総括せよ!」が産経新聞社から出たり、当事者のひとり若松孝二が連合赤軍描いたりしている。その流れもあるのか、大島渚がまた最近取り上げられている。ぴあや近代美術館フィルムセンターなどや著書も出されている。SWITCHの特集を見た。

なにか昔教わった先生に会うような気持ちだった。先生は伝説の暴れん坊だったが、今はご病気で様子を伺うのも少し躊躇してしまう。そんな感じだった。

御法度を観たのが十年前。嫁さんとはじめて会ったときに観た映画だ。おかげであの映画を観たことも印象深い。インタビューのなかでは崔洋一が印象的だった。「愛のコリーダ」のはなしだった。坂本龍一もだれも、いろいろ書いていたが、やはり本人の言葉の強さにはかなわない。SWITCHの1999 VOL16.No8。御法度のときのインタビューだが、あの衝撃は今でも忘れない。俺はジュンク堂のSWITCHのバックナンバーを探していて、その記事をたまたま見つけた。

大島は世界でただひとり絵の才能がない監督だ、と坂本龍一が褒めていたけれど、それはわかりやすい話だ。もともと運動家で、政治家や軍人の才能がある人だと俺も思う。映画の世界にたまたま入り、権力を奪って発信することに躊躇しなかったと言うことだと思う。それでも偉大な表現者だろう。

おまえ、絵になる絵を描いている場合か!

と、罵倒されそうだと思った。