踏み絵

2008 12月16日

「もっと感傷的かと思ってました」30歳独身男性はそう言った。DMとタイトルからそんな風に想像したらしい。やはり物語的に解釈していたようだ。「セックスの絵が思ったより多い。けどポルノじゃない」寄りかかる例がほとんど現在にないから手探りで作ったんですよ。「それは挑戦ですね」彼は半ば一時間ばかり観ていた。30代後半の既婚女性は「すごい!簡単なことばでいえないけど!パワーというか!やったことというか。夫婦にとって大きいでしょう」と言う。実はこういうモチーフということもあるが、年代や性別、既婚、未婚という本人の立ち位置で見え方が変わっているようなのだ。未婚の30代男女は「愛の」とか「あてられるなあ。(笑)」などと言って、直視しない。結婚や熱い男女関係に過敏に反応する。未婚に対する社会的圧力が垣間見える。年配の既婚夫婦は自身の物語にフィットするらしい。50代以降の男性には遠いもの、20代未婚の女性には生なリアリティ、という風に、作品が相手の考えや感性を露にする踏み絵になっていった。残酷なくらい。

リアルだけど綺麗な、という人もいた。エロい!と叫ぶ人もいた。よくあそこまでやったね!50代未婚の女性はさらけ出した行為に感動してるらしい。まあこっちは失うもんなぞないので。(笑)ヒリヒリする、痛みや生き方を見るようでした。20代既婚女性はそう言った。